ども、ぽんこです。
2022年、年始から米国株のボラティリティが激しいさなか、
投資家のみなさま、メンタルは保てているでしょうか?
年初来からの株式市場の下落相場において、一番の敵はFRB(米連邦準備理事会)による金融引き締めと、それによる長期金利の上昇で市場の警戒感が強まっていることで多くの投資家から株が売られていることだと言われていますね。
同じことを何度も言われても、そもそも金融引き締めってなんぞ?ちょうききんり??
はっきり言って、投資初心者の中でも経済を勉強してきた人でなければ全然ピンとこないはずです。
私もそうです。10年以上も獣医の世界で過ごしているとこんな言葉1ミリも聞かないですからね。
言葉の意味は何となく分かるけど、それがどうなの?ていう。
しかし、米国株に投資を始めてしまった以上、避けて通れないのが事実です。
特に長期の投資となると、きっとこの先も同じような局面がくると思います。その時にも同じようにあたふたしてしまわないよう、経験したことをしっかり自分の中で噛み砕いておこうと思っています。
惚れた会社のストーリーだけを見て自分の興味のある分野にただお金をばらまくだけになってしまう前に、しっかりと株式市場を取り巻く環境について一緒に勉強しておきましょう。
利上げがあるとなぜ株が売られるのでしょうか?
インフレヘッジとは何か?
初心者が感じた疑問点を元にまとめてみようと思います。
そして、実際退避した投資先を公開しますのでぜひ最後まで読んでみてください。
では、いっくよー♡
質の悪いインフレを退治せよ
インフレとは、モノやサービスの需要が供給を上回った結果、それらの価格が上昇し、相対的に「お金の価値が下がること」をいいます。
物価上昇により商品の価格も上昇し、それで儲けた会社は従業員の賃金を上げることができますね。
労働者は物価の値段が上がっても、お給料が上がれば家計はそこまで苦しくなりません。
その結果、経済が循環することで世の中にお金がたくさん出回るようになり、ほどほどの好景気が続くと『良いインフレ』となります。
というのも、このほどほどの好景気というのが肝で、物価上昇のスピードが速すぎて賃金上昇が追いつかなかったり、世の中にお金があり溢れる状況になると、だんだん『質の悪いインフレ』に変化していきます。
そして質の悪いインフレが続いて賃金が上がらなくなったときでも、モノの値段は上がり続けているので、人々は徐々に消費を抑えるようになります。
そうなると、経済が循環しなくなりますから国をあげての政策で無理やりにでもなんとかしないといけない窮地に立たされるわけですね。
しかし、今回の新型コロナウイルス感染拡大によるインフレは少し違うようです。
物価の上昇、賃金の上昇という点では今までの流れと同じようになりますが、今回は賃金上昇の圧力が大きいため、なかなかやっかいな長期的なインフレになるだろうと世界のアナリストの方々は警鐘を鳴らしています。
パンデミック以降のアメリカの経済状況の流れ
①パンデミックを防ぐためロックダウンを行うなど、人々に行動規制を敷いた。休職者には手厚い給付金を進呈した。
②給付金を手にした人々は、外出や旅行をしない代わりにモノやサービスを購入した。
③それに対し、商品を供給する企業側は人手不足や原材料の不足により需要に応えることができず、相対的に物価が上昇した。
④一方、労働者は働かなくても失業保険などの給付金をもらっているためコロナ禍を理由に復職してこなくなった。
⑤高い賃金を提示しないと労働者の確保ができないため、企業側は原材料の高騰で生産コストが上昇するのに加えて、賃金も引き上げざるを得ないため商品の値上げを強いられている。
⑥供給不足のインフレから、収束しにくい賃金インフレと変化していく。やばい!なんとかせねば!!いまじゃ!パウパウ砲{バコーーン!!!!←いまここ
金融引き締めの始まり
世界的なコロナウイルスの感染拡大により、人々の消費が落ち込んだため、FRBは市中銀行に対して金融緩和政策として、国債や不動産担保証券を買い入れ、市場に資金を供給しました。その結果、市中銀行は企業や個人に貸付がしやすくなり、経済は活性化しました。
しかし、予想外に米国の経済は猛スピードで回復。急激なインフレは生活に悪影響を及ぼすため、FRBは2022年から2023年にかけてペースを加速させた金融引き締めを実施していくとしています。(2022年2月時点)
金融引き締めの開始時期や回数は、FRB(米連邦準備理事会)の現トップにいるパウエルさんの采配で決定されるため、「金融引き締めするかもよ、、、」と囁くだけで、その日の株価は大きく下落します。(勝手にパウパウ砲とよんでいる)
それから金融引き締めに加えて、株価に影響を与えるものが次に出てくる長期金利の上昇です。
長期金利が上がるとどうなる?
長期金利とは、期間が1年以上の金融資産の利回りであり、代表的なものに10年国債利回りというものがあります。
これは、一般投資家が国に対して10年間お金を貸すときに受け取れる金利のことです。
国債などの債券には発行されるときに年利率というものが設定されており、国債の保有者はその発行時の年利率と現在の債券価格によって損益評価が決まります。
市中金利の方が高いと、新たに市中金利が適応された債券を運用する方が有利になるため、手持ちの国債の価値は薄れ、債券価格は下がります。
その原理から債券には、
市中金利が上がる↑と価格が下がり↓、市中金利が上がる↑と価格が下がる↓
という特徴があります。
そしてこれは債券に限ったことではなく、株価にも影響してくるのです。
「金利と株価はシーソーの関係にある」という言葉がよく出てきますが、私はそれがなぜだか全然分かりませんでした。
長期金利上昇でなぜ株が売られるのか
長期金利が上がると債券価格が下がるというのは理解できましたが、株価との関係が分からず、いろいろ調べているうちに、いちばんしっくりくる解説があったので共有します。
あくまで一般論だが、「長期金利が上がると債券の価格が下がる。そして債券が買いやすくなるため、投資家の関心が株から債券に流れる。結果、株価が下がり債券の価格が上がる」という流れである。
市場は様々な要因に影響されるため、必ずしも逆相関関係が成り立つわけではないが、「債券の価格が上がると株価が下がり、債券の価格が下がると株価が上がる」とされるのは、このサイクルに起因している。
https://zuuonline.com/channels/orixbank/234535
投資家の物色する対象が変わるからなんですね。そういう事情は知りませんでした。
売買差益を見込んでいる投資家は常に目を光らせてバリュエーション広く、儲かりそうな対象を探しているということですか。。恐れ入ります。
インフレヘッジだ、退避せよ!!
インフレヘッジとは、インフレ(物価の上昇)によって相対的にお金の価値が下がると想定されるときに、資産を現金からインフレに強みを発揮するものに移して下落リスクを回避することをいいます。
インフレ時に価値が下がる現金や国債などの資産を、インフレ時に価値が上昇するとされる株式のセクターや不動産、貴金属に乗り換えておくことで、保有資産の相対的な減少を防ぐということから今起こっている米国の賃金インフレにも適応できるのではと考えました。
インフレに強い資産
- 不動産
- 金
- 株式
- 投資信託
この中の株式と投資信託に関しては、インフレに弱いセクターも含まれていることがあるため、ただ興味のある株に資金を入れておけばいいということではありません。
今回の暴落も、ハイテク株やグロース株はほとんどやられてしまったため、早々とエネルギーや金といったコモディティ(貴金属、エネルギー、農産物)に資金を移しておけばよかったのかなぁと反省しています。
インフレに強いとされるセクター
- 金融セクター(銀行など)
- エネルギーセクター(原油や天然ガスなど)
- 資本財セクター(航空や鉄道、建設に関わる資材など)
ヴァンエック金鉱株ETF【GDX】
そこで、今回はハイパーグロース株を売った資金で新たに金鉱株ETFである【ヴァンエック金鉱株ETF :GDX】をポートフォリオに組み入れてみました。
経済を全く知らなかった私は、インフレと金利が引き起こす株価への影響を理解していなかったため、さっさとグロース株を売ることができずにかなり出遅れた感がありますが、これも経験だと思って、ここから続くと予想するインフレに立ち向かっていこうと思います。
(この記事を書いている矢先にロシアがウクライナを侵攻し、またグロースが大きく反発するというなんだか株式市場が意味わからないことになってしまいました。。インフレは戦争によって一気に抑え込まれるというシナリオになったらこの資金移動は失敗におわるでしょう(;^ω^))
何事も経験ですね。
バンガード米国増配株式ETF【VIG】
このブログでもたびたび登場する【バンガード米国増配株式ETF:VIG】も、不況に強いのでは?と思っています。
過去10年間連続増配の米国の中型・大型株(不動産を除く)で構成されています。
セクター別の構成比率では、資本財や消費財セクターの比率が高く、過去10年間の不況時にも連続して増配できた企業で構成されているため、下落相場でも安心して優良株にまとめて投資できるのが VIG の強みです。
高配当ETFではないので利回りはそこまでよくありませんが、資産を守りながら長期で保有し配当金が年々増えていくといった点ではかなり優良だと思っています。
結局はコツコツインデックス
実際にそうはいっていますが、誰もインフレの始まりと終わりを予想することはできません。
いち早く経済の流れに気づき、今までの経験も踏まえて自身の資産を守る行動をしなければいけません。今回話したインフレに強い資産は、言い換えればデフレに弱い資産ということにもなります。
私は長期投資をメインとしているため、口座を見ずにインデックスをコツコツ積み立てるのみ!ですが、余剰資金の使い方をもっと勉強して発信していけたらと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
(お金と命は比べ物になりません。早く戦争が終わりますように、、、)